※ おかげさまで第3版も、11月3日に売り切れとなりました。手にしていただいた方、ほんとうに、ありがとうございます!
完売にあたり、あらためて、制作時の不明点にアイデアを貸していただいた笠間書院編集長・橋本孝氏、当時始まったばかりの電算写植の印刷所を紹介していただいた大野邦雄氏、第2版の校閲をしていただいた森行和男氏にあらためて御礼申し上げます。
(2005/11/23記)
血統について1983年に書き上げた『(日本)サラブレッド配合史』は、84年発売以来22年目に入っています。いつでもお求めいただけます。
版元か書店まで、在庫ご確認の上、お願いします。
(発売通算3500部を超えましたが、第3版も在庫少なくなってきました。2月15日にネット書店の在庫が欠品になりました。6月時点で、競馬通信社の在庫が25部だそうです。)
以下をクリックしても、扱い書店などにジャンプします。
・click→アマゾン amazon.co.jp『日本サラブレッド配合史』のページ
・click here→現在の版の発売元・競馬通信社
ニュートンが万有引力をひらめいたという噂?の
庭のリンゴの木の株分けされたもの(小石川植物園)
所蔵が確認されている図書館のうち国立、県立などの主なところは、ネットの図書館横断検索システムによれば、北海道立、国会、都立中央、日比谷、千葉県立中央、千葉県立東部、名古屋市鶴舞中央、国会図書館関西分館、大阪市立中央、鳥取県立、徳島県立、鹿児島県立図書館などです。
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・2004/4/8「ホースレター」 配合史発売20周年のご挨拶
・1995週刊競馬通信・重賞回顧 配合史で採ったアプローチの仕方
・2003/09/18「ホースレター」
ネオユニヴァースが内包するA級配合を歴史的に遡る
いつも、ピュアな心と姿勢でいたい
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(配合史発売20周年のご挨拶)
欅欅欅====================================================
■■■ ケヤキの向こう ■■■ 笠 雄二郎・Yujiro Ryu
Vol. 203 =================================================
● 配合と柔らかさでダンス
拙著『日本サラブレッド配合史』は2004年3月で発売21年目を迎えることになりました。多くの人に読んでいただいてありがとうございます。いつも頭のどこかで読者のことを考えながら、この20年の日々を生きてきました。
今出ている廉価版は出版社で3つ目。2番目の水雲社で豪華箱入りにし一部訂正して第2版とし増刷もし、競馬通信社から第3版普及廉価版も出て、いまだに売っている。
付録の百名馬にしか興味がなければ古くなるかもしれないが、20年たっても数百年のサラブレッドの歴史の検証をくぐった配合論だから私は古いとは思わない。出版社に持ち込んでも世に出そうとは言ってくれなかったのに、ひとりで制作して自費出版でダイレクトメールだけ出したら最初の月に初刷りが完売してしまった。類書がない時代に、いかに血統の本に飢えていた人が多かったかということだろう。
たいていの血統マニアは血統表の中にクロスを発見して小躍りする。私はその段階から10年以上寝かせたから、クロスについては徹底的に練り上げ、クロスしない部分も考察した。他の内外の血統研究者が幼く見えるのはサラブレッドの歴史を追ってないし、クロスの考えをシンプルに昇華できていないし、クロス以外のことに対する考察が甘いからだ。
売れまくったといえるのはたしか第2版第2刷までで、今ではネット書店でランキングを見たら 162316位の売り上げという感心するほど地味な本です。累計1万部の夢は現在の情勢では届きそうにありませんが、今の刷りが完売するまでは淡々と売りますので、読んでいただければ嬉しいです。
桜花賞は、正月から少なくとも◎を打つことに関しては簡単だと思っていた。
ダンスインザムードはブルーヘイズの〈全兄弟クロス〉を持っていて、3代母がアメリカンフラッグの〈4分の3同血クロス〉を持っていて、全姉のダンパのときから褒めまくってきた。ムードは新馬戦が美しい走りだったから、うっとりして惚れてしまった。
気になるのは全姉ダンスパートナーの桜花賞は京都だった点。この姉妹はテンから2ハロンをギシギシやる阪神マイルの桜花賞ベストとは思えない。スピードが要求される桜花賞は60年代から絶対的なスピードであるレディジョセフィンの血を持つ馬が強くて『日本サラブレッド配合史』にもそう書いた。とくにナスルーラが強く、90年代でもどこか血統表の奥の方に入っている。ダンスには柔軟性抜群のナスルーラがないのが心残りだ。
でも、サンデーサイレンスにはヘイローにレディジョセフィンの血は入っている。サイアーラインのロイヤルチャージャーもナスルーラと4分の3同血だ。ヘイローの二千的なスピードや、ロイヤルチャージャー特有の加速力が強く表現されれば、つまりサンデーはスピードがあって好位抜け出すタイプで強い馬なら阪神での桜はOKではないかと思う。ナスルーラのほうが粘着力や柔軟性があってギシギシやる桜花賞にはふさわしいのではあるが…、好位抜け出すタイプのサンデーなら、と。
ダンスインザムードのもう一つの魅力は馬体やフォームが柔らかいことだ。言葉にならないほど柔らかい。こんなんでレースに勝てれば苦労せんよと言われそうなくらい柔らかい。ローテも順調でないし、調教もビシビシやれないし、まだまだ完成とは思えない。前走はさすがに雨も降って2着かなあと思ったが、それでも負けなかった。驚異的だ。馬体もフォームも、もう頭の中がわけがわからなくなるほど美しい。そういうことで、この馬は血統が私の配合論のエッセンスだし、◎にして心中してもいい馬だと決意した。こういう私のような凡俗の不安を超越できる名馬かもしれないからダンスの単。エルシエーロとのワイドも。
(笠 雄二郎)
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(『配合史』で採ったアプローチのしかた)
1995
クイーンS
牝馬の2000m。17頭のうち9頭に社台血脈が入っている。今の日本の牧場で、スピードからスタミナまでの幅広い血脈をいちばんバランス良く持とうとしているのは社台だろう。
サラブレッドは競走と生産の両面を持ち、多種の血脈の組合せで永遠に相互に交雑を繰り返す。良質な1600のスピードと、2400のスタミナを相互に取り込まないとマイラーも中距離馬もA級は生み出せない。私の考えでは、どこかにキズをつくるとダート馬や条件クラスのスプリンターが生じやすい。また、1200のスプリンターと3000のステイヤーは美しい特異な才能であっても、再生産するのに、けっして使い勝手のいいものではない。それは才能であって、しかも半面、キズでもあるからだ。科学史を引き合いに出すまでもなく、科学のフロンティアは仮説である。
配合論を述べるには2つの方法がある。文献・学説を明示して絶えず革新される遺伝学の成果のみで語るか、歴史上のA級馬の配合の連続性を検証し、それを説明しうる認識と仮説を展開するかだ。前者が遅れているので、私は『サラブレッド配合史』を書くにあたって後者のアプローチを採ることにした。世界の誰かがやらねばならないことだった。それが唯一、科学性を担保する方法論であると信じている。血統論を言うなら配合史を語らなければならない。微力ながらそうすることで 、私は上記のような認識に至った。
テスコボーイのスピードや Quadrangle のスタミナから、サクラキャンドルのような2000の馬を造り、トニービンとの間に1600の日本レコードを出したサクラチトセオーを造ることができる。アメリカも、Inside Informationのように、Damascus や Ribot のような中距離にも強い血脈からも優れたスピードを造っている。突出したスピードでもバランスが良ければ1600くらいの距離はこなすものだ。今回の番組改訂で1200のG1を2つにするのは賛成できない。
日本の番組はダートと短距離が多くなりすぎた。仕上がり早で勝ち上がりやすい血統に対するニーズが強すぎて、生産界の繁殖資源が1600〜2400芝の本格血脈以外への偏りを見せ、それが回り回って番組のダートと短距離化に拍車をかけている。日本のセダンやチャイナロック、リマンドといった血脈が残った牝系も、じつは大切だし力があるのに、2000で外国馬に敗れるのではなくスピードと安直さを希望する声のために、淘汰されていくとしたら惜しいことだ。2000〜2400のレースにおける社台血脈の占有率は、今後ますます大きくなっていくだろう。
(R)
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2003/09/18 ホースレター
ネオユニヴァースが内包するA級配合を歴史的に遡る
欅欅欅====================================================
■■■ ケヤキの向こう ■■■ 笠 雄二郎・Yujiro Ryu
Vol. 174 =================================================
●重厚な血
マイル戦線はタイキシャトルやトロットサンダーのような王者不在で、勝ち馬がコロコロ変わる戦国時代になってしまった。オータムHもテンが35秒2のスローで逃げ逃げ。これでは本番につながるかどうかは、またまた疑問になってくる。
負けた組ではウインラディウスが最悪の位置どりで競馬になっていない。次はどこを使ってきても買いだろう。
テンシノキセキは一度血統を褒めたことがあるが、坂を克服して本格化したか。末尾に祖母の父 Roi Dagobert の血統背景に少し触れておいた。重厚な血を持つだけにフジキセキのわりに奥があると見ている。
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ローズSは3強のうち、全馬完調なら◎はアドマイヤグルーヴ。春は不完全燃焼だけに、このレースは買いたい。
セントライト記念はトリリオンカット。決め手がないから2着なら。スウェインの子でここが2着なら菊も2着というダイワオーシュウやトーホウシデンのようなズブいタイプの菊パターンかもしれない。
(参考・Shantung と Roi Dagobert )
ネオユニヴァースを褒めるときに、いつも祖母の父シャンタン Shantung (Sicambre×Hyperion)を褒めることにしているが、これはシカンブル Sicambre が父だからではない。
Sicambre も Hyperion も悪くはないが、Shantung の母 Barley Corn のすばらしさが最大のポイントだ。Barley Corn はメジロティターンの3代母でもある。
テンシノキセキやエルウェーウィンの祖母の父である Roi Dagobert の祖母が、やはり Barley Corn で、Shantung と Roi Dagobert は、ともに父が Sicambre だから4分の3同血の関係に当たる。
フィディオンの父ジャカオ Djakao の祖母も Barley Corn だ。ちなみに、メジロエニフ(父フィディオン、母シェリル)は Barley Corn 4×3、Sicambre=Senones 3×3、Tourbillon 5×5という凄い配合をしていて、この馬こそメジロ牧場全盛期の薫り高きエッセンスといってもいいかもしれない。
ネオユニヴァースの祖母の父シャンタン Shantung
Shantung の母 Barley Corn・・・・Selene≒Schiavoni2×2
Schiavoni・・・Pilgrimageの牝馬クロスを含む5種の〈父母相似配合〉
Schiavoni の祖母 Gondlette・・・・The Palmer=Rosicrucian 3×3
Rosicrucian の母 Mme Eglantine・・・・Selim=Rubens 4×4、
Cobweb≒Middleton3×3
Rosicrucian の祖母 Diversion・・・・Defence≒Folly1×1、
(Whelebone=Web 2×3、Little Folly3×2)
(注)≒1×1とは、父と母のそれぞれ4分の3くらいの部分が同血だということ。
これらの血はすべて歴史的な名血だ。
こういう風に私の配合論のキイである〈父母相似配合〉や〈全兄弟クロス〉や〈4分の3同血(ニヤリーイコール)クロス〉などを見ながら名血を遡っていけば、サラブレッドの配合の祖である Whalebone に行き着く。
何の証明もないもっともらしい言辞を振りまいたところで、どうなるものでもない。配合論は歴史を一筆書きに書かないと配合論に値しないと拙著『日本サラブレッド配合史』に書いたのはもちろんそういう意味だ。Shantung や Roi Dagobert がその一つの典型を表している。(R)
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